菅義偉官房長官は3日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補として治験を進めている「アビガン」について「約30カ国から外交ルートでアビガンの提供要請があり、日本政府から所要の量を無償で供与すべく調整を行っている」と述べた。政府はアビガン提供の見返りとして投薬データの共有を求める方針で、治療効果の早期の確認につなげたい考えだ。

アビガンは日本の製薬会社「富士フイルム富山化学」(東京)が開発したインフルエンザ薬で、国内に200万人分の備蓄がある。同社は政府の要請を受けて増産の準備を進めている。

一方、中国では新型コロナウイルスによる軽症の肺炎患者の治療に効果があったとの研究結果が報告されており、ドイツなど各国でアビガンを調達する動きが出ている。